最近は人を殺してはいけない理由が分からない子供がいると聞いたことがあります。
人を殺してはいけないなんて当たり前です。
そこに疑問が発生する余地はありません。
人を殺してはいけない理由が分からないのはなぜなのかは分かりませんが、子供にそんなことを訊かれた親はショックでしょう。
自分は一体この子をどう育ててきたのだろうか?
なぜそんなことも分からない子供になってしまったのだろうか?と思ってしまうでしょう。
僕には子供がいませんが、もし僕が子供にそういうことを訊かれたらこう答えようと思います。
「その人が今まで生きてきて、これからも生きて行こう思っているのに、その人の人生を勝手に止めてはいけません。つまり勝手なことをしてはいけないからです」
映画監督の井筒和幸さんは、人を殺してはいけない理由は、人の生存権を踏みにじるからですと言いました。
つまり人の権利を無視して、その人に対して勝手なことをするからだということだと思うので、僕の考え方と同じだと思います。
結局、誰でも同じように考えると思うし、同じように答えると思います。
つまり悪の定義は、人の感情と権利を無視して自分の欲望だけを優先した勝手な行為であるということだと思います。
それではたとえばうつ病で死にたいと言っている人は殺してもいいのか?という疑問と安楽死の是非と死刑制度についても考えなくてはなりません。
まず最初の疑問についてですが、まずは慰めるという選択肢を取るべきで短絡的に殺してはいけません。
百歩譲ってその人だけのことを考えたら殺してもいいかもしれませんが、そうするとその人の家族や友人を悲しませることになります。
つまり、死にたいというその人の気持ちしか考えておらず、その人の家族や友人の気持ちにまで考えが及んでいないない行為なので悪です。
ただし安楽死については僕は肯定派です。
なぜなら人には死ぬ権利があるからです。
治る見込みのない病気で生きていても苦痛しかなく、本人が安楽死を望んでいるのに、延命治療を続けるのは、その人の死ぬ権利の侵害です。
それではたとえば、うつ病で苦しくて死にたいと思っている人にも死ぬ権利はあるのでしょうか?
結論から言うとありません。
なぜなら、その人の家族や友人が悲しむからです。
自殺は自分のまわりの人の気持ちを考えない自分勝手な行為なので悪です。
うつ病は治る可能性がある病気なので、治らない病気による安楽死とはまったく話が違います。
安楽死は本人の苦痛を取り除いてあげて、家族に負担をかけたくないという気持ちを尊重してあげる行為なので善です。
つまり基本的に人を殺してはいけないけど、安楽死に関しては本人が死を望んでいる場合は殺していいし殺すべきだと思います。
最後に死刑制度についてですが僕は死刑制度廃止反対派です。
なぜなら残酷な方法で人を何人も殺した人間にはもはや生存権はないと思うし、そういう人間には人を殺すことは悪であるという思想を享受する資格もないと思うからです。
子供「どうして人を殺しちゃいけないの?」
大人「人を殺す人は自分のことしか考えられないバカなんだよ。だからちゃんと人の気持ちを考えられるお利口さんになりましょうね」