今日は東京武蔵野病院の通院の日でした。
診察が終わって会計を待っているときに久しぶりに友達に会いました。
彼はこの病院のデイケアで知り合いました。
今、この病院に入院しているそうで、すっかり痩せて別人のようになっていました。
元気ですか?と聞いたら「波があります」と言いました。
そして「もうすぐ退院だから夢のような世界が待ってるんですよ」と言いました。
たしかに精神科の入院は閉じ込められるので退院したらなにもかも自由になるので、まるで世界が変わるわけです。
僕も精神科に入院したことがあるので彼の気持ちはよくわかります。
それと彼は今はお金がないのでプライベートで遊びに行かれないんだそうです。
それだったら僕が食事を奢るよと言いたいところですが、そうすると彼の精神的な負担になるので、そういうことはすべきではないと考えて、そうしないのが本当の思いやりだと思うのです。
つまり親しい間柄でも適度な心の距離を取るという人間関係のルールというかテクニックです。
そして「また楽しく鉄道の話でもしましょう」と言って別れました。
お互いに鉄道マニアなのです。
さてそして東京武蔵野病院を出て東中野のポレポレ東中野という映画館へ行って「過去負う者」という犯罪者をテーマにした映画を観ました。
上映後にこの映画の舩橋淳監督とゲストの「福田村事件」という映画の監督によるトークショーがありました。
舩橋淳監督はこんなことを言いました。
「人間は誰でも心に闇を抱えていて、自分の心の闇と向き合わなければいけない」
そしてトークショーのあとで舩橋淳監督のサイン会があったので僕もサインをしてもらいました。
そして監督にこんな声をかけました。
「監督の人間は誰でも心に闇を抱えていて、自分の心の闇と向き合わなければいけないというご意見にとても共感しました。僕も心に闇を抱えていて、僕には社会的ひきこもりの弟がいるんですけど弟を全然理解できなくてどうしても弟に憤りを感じてしまうんです。それが僕の心の闇なんです」
すると監督は微笑みながらこんなアドバイスをしてくださいました。
「僕が言うことではないんだけど、少しずつ許してあげたらいいと思いますよ」
最初に見たときに優しそうな人だなと思ったのですが、やはり優しい人でした。
こういう優しい人の出会うと、弟に対してまったく優しさのない自分が恥ずかしくなりますね。