今日シネマサンシャイン池袋で映画「アンダーカレント」を観ました。
真木よう子演じる主人公の旦那(瑛太)が失踪してリリーフランキー演じる風変わりな探偵に調査を依頼するのですが、探偵が旦那とは一度も会ったことがないのに旦那さんは、こうこうこういう人だったといろいろ語り出したので真木よう子演じる依頼人が、主人とは一度も会ったことがないのになぜそんなことがわかるんですか?と訊ねると探偵はこう質問します。
それではお訊ねしますが、人をわかるってどういうことですか?
深く胸に突き刺さるセリフです。
僕も人が人をわかるということは難しいと思います。
自分のことさえわからないのだから人のことは、なおさらわからないと思います。
僕は子供の頃、場面緘黙でした。
自分でも学校へ行くとなぜ喋れなくなってしまうのか、まったくわかりませんでした。
そんな僕を母はことあるごとに叱りました。
お前は学校へ行くとおしん坊の真似をしていると言われて死ぬほど傷ついたことがあります。
母にしてみれば、そんな状態を続けている息子が相当もどかしかったのでしょう。
当時はまだ場面緘黙という病名はなく病気として認知されていなかったのでなおさらです。
そして僕が一番わからないというか理解できない人間が弟です。
体がどこも悪くないのに一向に働こうとしないのはなぜなのか?
なぜそんなに働くのが嫌なのか?
社会に出ることのなにがそんなに恐ろしいのか?
まったくわからないし、わかってやりたくもないです。
実に不思議でなにを考えているのかわからないので、とても不気味で気持ち悪いです。
おそらく本人にもわからないのでしょう。
人間というのは自分自身のことも他人のこともよくわからない複雑で不思議で曖昧模糊とした存在であると思えてなりません。